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Monday, January 11, 2010

備忘録 - プライヴェート・エクイティ・ファンドにおける典型的配当順位

PEファンドで買収案件を成功裏に売却、または(再)上場などでエグジットした場合の利益の分配方法です。たいていどこのファンドでも基本はいっしょなのですが、念の為に書き記しておきます。

1.まず第一に、各リミティッド・パートナー(有限責任組合員)のその時点での投資額。ようするにそれぞれの投資分の返済。

2.次に、各有限責任組合員の投資収益率(Internal Rate of Return; IRR)が見積書等で約されていた利率にいたるまでの相当額。現時点での相場は8%。(したがって、IIRの計算方法等は必ず明記されなければならない。)

3.ジェネラル・パートナー(無限責任組合員)へ、上記2の下における配当額とこの3の下における配当額の合計の20%をキャリード・インタレスツ(Carried Interests)として。(キャリード・インタレスツに関しては、後に詳述の予定。)

4.残存額を有限責任組合員と無限責任組合員で山分け。通常は8:2。

ただし、通常はクローバックといって、上記のキャリード・インタレスツの内、一定額(たいていの場合は約25%)を第三者預託とし、ファンドの解散時の最終決算で無限責任組合員が規定以上のキャリード・インタレスツを得ていた場合は、規定通りの分配となるように、この預託分を有限責任組合員に再分配することとなります。(ジェネラル・パートナー・クローバック)

また同様に、ファンドの最終決算において、無限責任組合員への分配が規定の比率にみたない場合は、有限責任組合員が収益分に比例した額を払い戻すことになります。