新しいファンドのIR(Investor Relations)で香港にやってこられた方々のお手伝いをさせてもらいました。
アセットマネージャー会社からやってきた優秀な女性がバシバシとプレゼンするのを横でみながら、私はチャーリー・チャップリンがデヴィッド・ニーヴンにあげた演技のアドヴァイスの話を思い出していました。
当時まだまだイギリスからハリウッドに流れ着いたばっかりの「なんちゃって」新米映画俳優だったニーヴンに、映画俳優として大先輩のチャップリンは次のようにアドヴァイスしました。
「セリフを巧く言う事ばかりに気を取られるな。他の役者のセリフを聞く演技を磨け。」
世間では、
It's not what you say, but how you say it.
とも言いますが、やはり「ナントカ流交渉術」とか「ナントカ式プレゼン術」などとうわべだけを飾っても、結局はそれはいかに口が達者になるかということだけで、本当の意味における「The Great Communicator」への道ではないと思います。やはり基本は、
Don't say what you want to say, but say what they want to know in the way they can understand.
じゃないでしょうか。
そうした意味でも、IRプレゼンで重要なのは、初めの挨拶に続く自己紹介の折に、相手方がどのようなことを聞きたがっているのか、どのような情報を欲しているのかを、短い時間内に素早く察してあげることなのではないかと思った次第。
つまりはこっちが「話す」前に、相手の話を「聞く」ということが大切。そしてそのためにも相手に関する事前の調査、学習が必須なのでしょう。
生き馬の目を抜くようなIRの世界をかいま見たわけですが、「コミュニケーション能力のせめぎ合い」という意味では非常に興味深いビジネスだなと思いました。
Wednesday, December 16, 2009
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