Pages

Monday, March 15, 2010

中国とのビジネス - 投資ファンド・ビジネスからの管見

現時点における、私の個人的な視点からの観察を以下に書いてみます。今後、軌道修正する場合の起点として。

中国ファンド・ビジネスは、中国人が国外に出せないお金を、どうやって効率よく国内でまわすか、国内に戻せないお金をどうやって効率よく国外でまわすか、ということがフォーカスになってきています。

プライベート・エクイティ・ファンドの場合は通常5年というタイム・フレームで話を進めますが、現時点から5年後を遠望すると、中国共産党の指導層の世代交代を2年後に控えている事が、投資家の頭のどこかにひっかかっている状態です。そうした点からも、メインステージは中国だとしても、そのサイド・ショーとしてインドネシアに興味を持つ投資家が増えてきている印象を受けています。2年後というはっきりした時限爆弾の方が、漠然としつつもリアルなインドネシアの政情不安よりも、関心を集めているようです。

幸い、現時点における私のメインのクライアントたちは、マネージャー自身が相当以上のシード・マネーを自ら投下するファンドであり、彼ら自身がかなりの金持ちですので、案件がまわっています。そうした意味では、どちらかといえばファミリー・オフィスをよりコーポレート仕立てにしたようなお客様たちです。しかし純粋にファンド・マネジメントに特化した人々は、金融危機以来、投資家が一斉に財布のひもを締めたままですので、立ち枯れています。同様にそうしたファンド・マネージャーの資金需要を引き受けていた投資銀行も閑古鳥が鳴いている状況です。その一方で、流動性に(比較的)優れたヘッジ・ファンドには、その他の選択肢を失ってしまった機関投資家の資金が舞い戻りつつあるようです。

中国/華僑の富裕層はファンド・マネージャーにお金を預けることを潔しとしませんので、投資案件の一本釣りに特化しています。こうした中で、投資先としての日本は、現政府の経済政策もあり、為替の不安定要因もあり、リスクとリターンが見合っていない状況にあるというのがコンセンサスのようです。もっとも、トロフィー・インベストメント(自らのステータス・シンボル)としての東京不動産投資、そして中国富裕層を相手としたリゾート・ブームに対応した北海道開発といった案件が注目を集めているようです。

0 comments:

Post a Comment